地震に強く、デザイン性の高いスレート屋根 メリットとデメリットは?  

地震に強く、デザイン性の高いスレート屋根 メリットとデメリットは?  

2022.10.04
家づくりお役立ち情報

瓦葺き屋根が減った? 現在主流の屋根材とは

最近、瓦葺きの屋根に代わって増えてきたのが「スレート屋根」と「ガルバリウム屋根」。

「スレート」とは粘板岩のこと。高温・高圧の環境でのみ生成され、薄くはがれるように割れる性質(へき開性)を持っています。本来は、粘板岩を板状に成形したものを指しますが、天然スレートはとても貴重で高価。さらに運搬や加工、施工の際に熟練の技術が必要で、一般的には使われません。そのため、現在ではセメントと繊維を混ぜた化粧スレートが主流になっています。
ちなみに、天然スレートは東京駅丸の内駅舎保存復原の際に屋根材として使われました。

ガルバリウム屋根は今後の記事で紹介していき、今回はスレート屋根についてご紹介していきます。

地震に強いスレート屋根

現在主流になっている化粧スレートのメリットは何でしょうか?

まず、スレート屋根は瓦に比べ軽量です。坪あたり2.6倍程度の差があります。
一般的には屋根が重いほど耐震に対して注意する必要があります。その点、スレート屋根は耐震性を確保しやすと言えます。耐震性を高めるために初期費用を抑えることができるでしょう。

また、スレート屋根はデザイン性の高さも魅力の一つ。様々な屋根の形に合わせて柔軟に施工することができ、カラーも種類も豊富です。さらに、他の屋根素材に比べて安価で、屋根構造も単純なため、工期も短く施工費も安く抑えることができます。

スレート屋根のデメリットは?

では、スレート屋根のデメリットはあるのでしょうか?

耐久性

まず、スレート屋根は瓦葺き屋根と比べて耐久性が下がります。瓦屋根はメンテナンスしなくても50年以上持つのが一般的。しかしスレート屋根は20〜30年ごとに葺き替えの必要もあります。さらに、表面は塗装で経年劣化します。そのため10年以上経つと再塗装し、その後も定期的な塗装が必要になります。塗装メンテナンスをしていない場合は、葺き替えまでの期間が短くなってしまいます。

強度

スレート屋根は軽量で薄いのですが、他の屋根材と比べて強度がやや劣ります。強風や地震によって割れやすい素材と言えるでしょう。

スレート屋根にはアスベストが含まれている?

かつてスレートには繊維としてアスベストが用いられていました。しかし2004年以降、アスベストを1%以上含む製品の出荷が禁止され、アスベストを含むスレートは使われなくなりました。
新築する場合は、スレートにアスベストは含まれていないので、健康被害の心配はありません。

また、アスベストを含むスレート屋根の家に住まわれていても、今すぐに健康被害が出るということはありません。しかし、葺き替え工事の際は、アスベストが飛散する恐れがあるため、注意が必要です。施工業者と工事前にしっかり打ち合わせするようにしましょう。

スレート屋根を検討してみよう!

スレートは、切妻屋根や片流れ屋根など、ほとんどの形状の屋根に使うことが出来ます。カラーも豊富でデザイン性の高いスレート屋根を、家づくりの選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。