大工の見習い  No.34

大工の見習い No.34

2023.07.05
トヨちゃんの回想録

僕は、牛の間屋を片付けて床を張った。

「子供部屋をつくれ、水もり管で水平を出してな。」

「ハイ!」

それにしても牛のフンは付いてるし、一苦労じゃな…と思いながら取りかかった。

2日半ぐらいで片付けが終わり、水平を出していると、親方が来て

「そこから先の仕事はワシがやるから、お前は若いので元気があるから食卓テーブルの板を削りなさい。

桑の木で材質は良い物じゃが、よく乾燥していてひどくネジれている。」

「分かりました。」

あれをするのも、これをするのも勉強。頑張ろう・・・

テーブルの板、桑の木を削り、高さ45cmぐらいのテーブルに引き出しも付け、約5日ほどで出来上がり。

お施主様に喜んでもらった。

その次に縁側の雨戸の開け閉めが悪いので修理し、今日で仕事も完了。

                                つづく

                      

 トヨちゃんの回想録『大工の見習い』

有本建設 創設者である有本豊敏が丁稚時代を語る。